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2012年3月17日(土) 「鉄の女」を観に行く

「マーガレットサッチャー 鉄の女」を観に行く。英語のオリジナル版でフランス語字幕だから完璧にセリフの一言一句まで理解したとは言い難いが、強く印象に残る映画だった。
まず、なんといってもアカデミー賞のメリルストリープの演技。これは歴史に残るだろう。ひとりの役を作り、その人になりきるため、彼女はどんな努力を積み重ねたんだろうと想像せずにはいられない。本当に頭が下がる。
英語という同じ言葉でも、アメリカ英語とクイーンズイングリッシュは違う。ましてや階級社会の英国では、階層によっても話し方が違う。どれだけ本人のビデオやテープを繰り返し観て研究し、声の出し方や振る舞いを真似たことか。その果てには、演技を越えた「ほんもの」になっていた。それも、年齢的にもまだ現役バリバリの頃からおばあちゃんの姿までを見事に演じ切っていた。話し方や表情、歩き方や姿勢までも、年齢に応じて演じ分けていた。おばあちゃんの時の体系やメイクの威力もすごかったが、やはり総合的な彼女の演技の賜物でしょう。残念ながら、日本にはこんな女優はいない。

「鉄の女」という異名を取る厳しく強い女性首相の映画…ではなくて、これはひとりの女性の愛と人生の物語でもある。彼女を生涯に渡って支え続けたご主人と双子の子供たち。こんな奥さん(お母さん)を持った家族は大変だろうな~、と思う。現に家族を放ったらかして、仕事に没頭する彼女に、夫が不満を言う。車にまとわりつく子供たちを置き去りにして仕事に向かう場面がある。
仕事を持つ女は、多かれ少なかれ、後ろ髪を引かれるような思いを味わいながら職場に向かう。「仕事の方が大事」とは言い切れないけれど、「働くことは生きること」と強い信念を持って家族の涙を振り切らなければならない時がある。子供たちが「ママー、ママ―」と叫びながら、車の後を追ってくる。サッチャーさんも「私ってダメなお母さんだわ」ってその時、思っただろうか?

長い年月の果て、夫を亡くし、本人も痴呆症になり、夢と現実の狭間に生きている。若い頃、子供たちと行った海辺の録画を観て、過去に思いを馳せる。いつの間にか近くに座っている夫の幻影に向かって彼女は呟く。「ねえ、あなたは幸せだったの?」本当に切ないシーンだ。歴史を動かした力強い「鉄の女」は、かくも儚く頼りなく弱々しいひとりの女性だったのか…。

ここからは余談。まだご存命ではあるけれど、ご自分の姿がこういう形で描かれることに、サッチャーさんはどのような考えでおられるのだろうか?または家族(お子さんたち)は?なんとも観終わってフクザツな気分になった。



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Author:ikuko
栃木県宇都宮市出身。1993年2月よりフランス在住。現在パリ郊外に住んでいます。

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