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2012年3月4日(日) 「コーラス」に感動!

フランス2で放送していた映画「コーラス」(2004 仏)を子供たちと観た。
家で観る映画の面白さに子供たちは正直だ。どんなに勧めても、つまらないと感じたらさっさと席を離れてしまう。この映画も、「なんでこれを観なきゃいけないの~?」なんて言いながら座っていたが、観始めたらもうそのまま、引き込まれるように話の中に入っていった。

1949年、まだ戦後の、つつましく陰気な貧しさの残るフランスの片田舎に「池の底」という名の少年用の寄宿舎があった。そこにいるのは、家庭の事情で家族と住めないか、親を失くした子供たち、または問題児ばかり。年齢は、7歳から15歳ぐらいまでだろうか。赤ちゃんではなく分別はあるが、一番感受性が強く周りの環境に左右されやすい頃だ。
しかし、彼らを保護する寄宿舎の校長は、愛情でなく軍隊方式で体罰を与え、子供たちを厳格に監視する。子供たちの間には、その反発や反抗や寂しさからのストレスが渦巻いている。授業が出来ないほどの喧騒、日常的ないたずら、自分より弱い者へのいじめや嘲笑、喫煙や盗み…。いわば、野良犬の集まりのような無秩序さだ。
ある日そこに、まんまる顔で穏やかな音楽の先生(ジェラール ジュニョが名演!)がやって来た。失業した音楽家、孤独で貧しいひとり者だ。彼は他の先生と違い決して体罰を与えない。いたずらをしても告げ口せず子供をかばう。彼の笑顔が最高に、いい!
徐々に、子供たちは変わっていく。きっかけは「コーラス(音楽)」だった。子供たちの中に飛びぬけて歌のうまい子ピエールがおり、それがこの映画の語り手(のちに指揮者になる)である。
素晴らしい指導者(教師)によって、ダメな奴らが再生してゆく…。もうこの構図、「サウンド オブ ミュージック」「メリーポピンズ」「ごくせん」「ルーキーズ」と、ひととおり観てきたうちの子供たちには「ああ、このパターン!」とすぐにピンと来たようで…。

よくあるパターンなんだけど、静かに涙が流れてくるのは、少年の歌声があまりにも清らかだろうか。ボーイソプラノの響きは、今しか聴けないと思うからか、はかなくも美しい力に満ちている。繰り返し流れる同じ合唱曲は、いつまでも頭の中にリフレインする。しんとした森の奥に建つ、忘れ去られたような寄宿舎で、少年は今も歌い続けているような気がする。心の深いところから、じわーっと感動があふれてくるような映画だった。

ちなみに私が一番感動したのは、「土曜日に来る」と言って去っていった母(それはもちろん口実で、もう母は来ない)を待ち、いつも門のところで待ち続けていた一番小さな少年を、クビになった音楽教師が連れ去ってしまう所だ。人道的にどうだ、ということよりも、少年の旅支度(小さなトランク、もう片手にはクマのぬいぐるみ)というのがあまりにもいじらしくて、土曜日に来るはずの母を捨ててもこの人についていきたいという小さな思いが切なすぎて、涙が止まらなかった。その少年が、最後にこの映画の主人公(指揮者)に、育ての親の音楽教師の思い出の詰まった日記を見せるのだが。。。

子供は小さな大人ではなく、子供は子供の目で見、受けた愛情や経験で人生をとらえ、小さな体で精いっぱい生きているのだと思う。そう考えると、親(大人)の責任はなんと大きいだろうか…。



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Author:ikuko
栃木県宇都宮市出身。1993年2月よりフランス在住。現在パリ郊外に住んでいます。

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