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≪ぷち感想≫ 「悼む人」 (天童荒太)

お天気が悪くてどこにも行く気がせず、「悼む人」を読破する。構想、執筆に8年かかった大作ということで、著者の強い思い入れが感じられる作品だった。(最後は涙が…)
生と死、善と悪、そして表面上はコインの表と裏に見えるすべてのことが、実はひとつの真理の中に存在しているのだということを感じた。
何も恐れずに生きている人はいない。完全なものは何もない。誰もが不安定なうつろいやすい存在だ。そのことを認め、支え合って人は生きなくてはいけない。でもそんなのは理想だけの空論だと、現代社会の中で多くの人はささくれだった気持ちを抱えて生活している。しかし、本当はみな「悼む人」を待っているのではないだろうか。少なくとも生きたのだという証を記憶してくれている誰かを。

大震災の被害者の方(行方不明者)の「死亡届」の簡素化が発表されたとニュースで見た。残された家族が死亡保険などを受け取りやすくするために、その規制が緩和されたというが、家族の人たちの表情は固かった。
待つことで生きていることを信じてきたのに、「死亡届」を出してしまったら一縷の望みもなくなってしまうというのがその理由のようだ。しかし一方で、「これでふんぎりがつく」という人もいて思いは複雑。
辛い歴史や人の死でさえも、いつまでも忘れないで覚えているということは、出来そうで難しい。人によっては「忘れるなんて罪」だとばかりに怒りだすかもしれない。しかし前に進めないほどの苦しみなら、出来るだけ軽くした方がいい。「忘れる」ということは、必ずしも悪いことばかりではない。

この世は悲しみであふれている。そしてどの土地にも死者たちが「悼んでもらう」のを待っている。しかし人はすべて死ぬ…その事実の前で、実は「悼む人」と「悼まれる人」は同一だということに気付くのだ。


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栃木県宇都宮市出身。1993年2月よりフランス在住。現在パリ郊外に住んでいます。

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