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2011年4月14日(木) リュクサンブール公園~「クラナッハ」展

リュクサンブール公園

空はくもり、暑くもなく寒くもなくという日。
久しぶりにリュクサンブール公園に行った。ちょうどチューリップやすみれ、マロニエの花も咲き乱れ、人々がベンチに座っておしゃべりしていた。
公園の一角にあるリュクサンブール美術館で「クラナッハとその時代展」をしていたので、ぶらりと入ってみた。(5月8日まで)

ルーカス クラナッハ(1472-1553)は、ドイツルネサンス期の画家、版画家で初めの頃のテーマは宗教画と肖像画がほとんどだ。宗教改革を起こしたマルティン ルターの友人だったということでルターや家族の肖像画も残している。後期には作品は徐々に宗教→幻想的な女性図になっていくような気がする。
旧約聖書に題材をとった作品(モーゼ、アダムとイヴなど)やキリストの磔刑図、聖母子像などは、離れて観るとドキッとするほど色が鮮やかで目に焼きつくが、側でじっくりディテールを観ていくと、デッサンが微妙に狂っているのだった。例えば、何かを握っている手の形を見てみると、指があり得ない角度に曲がっていたり、片足曲げている足の長さが全然違っていたり、女性の足が妙に大きく、その指が太く醜くかったり…。聖人や絵画の中の人物の顔も、よく見ると決して美男美女ではない。それが不気味さとともに、不思議な魔力でぐんぐんその世界に引きつける。目や唇の半開き具合とか、その魅惑的なポーズに、これはどういう意味なのかな~とまず興味を抱かされ、気付くとズブズブ深みに入っている…という、なんとも形容のしがたい世界だ。
多分、昔は裸婦像一つ描くのも、「これは女神だから裸で描いてもいいのですよ」という暗黙の了解があったのに違いない。しかし、それはあくまでも美しく、高尚な描かれ方をすべきなのだ。画家にしてみれば、禁忌を犯す喜びに近かったのではないかという気がする。
思えば、クールベの「画家のアトリエ」や印象派のマネが「草上の昼食」や「オランピア」で庶民の女のヌードで描いたといってスキャンダルになったが、その300年も前にクラナッハはやってるよ~という感じ。男を誘い、狂わせる魔性の女が菩薩の顔で横たわっているんだもの。
クラナッハの描く世界は、現実と空想の空間の境目にある。その女性観が実に興味深いのだが、優しい母性愛に満ちた存在でありながら、同時に冷酷で幻惑的にも描かれているのだ。だからなのか、女性たちはみな一様に何を考えているのか分からない顔をしている。これが500年以上も前の絵だなんて…。


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栃木県宇都宮市出身。1993年2月よりフランス在住。現在パリ郊外に住んでいます。

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