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2010年2月16日(火) ワインの一日

知人が送ってくれた「ワイン王と呼ばれた侍」という1時間弱のドラマ仕立てのドキュメンタリーを観た。
幕末の頃、薩摩藩から英国へ15名のえり抜きの少年侍たちが留学したという。当時は攘夷運動盛んな頃なので、江戸幕府には内緒で薩摩藩だけのお忍びだったらしい。目的は日本より進んだ文化を吸収し、開国の暁にはお国のために真っ先に役に立つ人間になるため。その中には13歳と一番年少だった長沢鼎(かなえ)がいた。
彼はイギリス留学中に運命を変えるひとりのアメリカ人の師に出会い、そのまま帰国せずに渡米する。彼以外にも5人が師について渡米したという。この理由というのが実に興味深いのだが、己の利益ばかりを追求し、国の発展などに興味のない物欲的な欧州人に嫌気がさしていたというのだ。師と仰いだ人は、物欲を捨て、みんなが幸せになれる世界を作ろうという考えの持ち主で、広大な農場でみなで共同生活を始めたのだ。
そして数年後、長沢以外は帰国してしまったが、彼は師とともにカリフォルニアに移り、ブドウ作りを初め、最終的にはワイン王となった…という実話だ。カリフォルニアワインをヨーロッパに最初に紹介した人でもあるらしい。
こういう人がいたこと自体知らなかったが、この人が何よりも素晴らしいのは、武士としての精神を失わないまま、カリフォルニアで事業を成功させ、地元で活躍したアメリカ人として称賛され、尊敬されて生き抜いたことだ。
特にそれが戦争前の、国同士が緊張し、排日運動盛んな頃だったのだから、いかに彼が人びとの信頼を得ていたかが分かる。昔は偉い人がいたんだな~とただ驚いた。

それから「モンドヴィーノ」というこれもワインがらみのドキュメンタリーの映画。新たに知ることも多かった。ワインが好きじゃない人や興味のない人には面白くも何ともない映画だろう。大体これを映画にして見せる意味がよく分からない。
アメリカ式の扇動的でグローバル化されたワイン業界のあり方と、それに真っ向から対立するフランスの昔ながら頑固一徹のワイナリーの衝突かと思ったらそうでもなかった。実はフランス人も結構右向け右の、人の意見に左右されやすい人が多いのだ。
自分の味覚に絶対の自信がない人びとは簡単に有名人の評価や点数でなびいてしまう。既に誰かがいいといったものだけを評価する。だからどっちを向いても同じ味、誰かの好みの同じワインということになってしまう。
ある人が言っていた「みんなが美味しいと思うワインなんて面白くない。個性がない人間と一緒だ」という言葉が印象に残った。
ワインについて、いつもよりちょっと多くのことを考えさせられた日だった。


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Author:ikuko
栃木県宇都宮市出身。1993年2月よりフランス在住。現在パリ郊外に住んでいます。

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